

【過去】
過去の杉の1つの例として、東京23区の1つ「杉並区」についてお話します。この地名は江戸時代初期にこのあたりに杉並木があったことに由来しています。今では東京の市街地となり農村の面影などどこにもありませんが、江戸初期から明治直前までの約250年間、杉の産地として栄えていました。
苗を密植して植林後12年頃から間伐を始め、毎年少しずつ切りながら40年までに全て切っていました。用途は竿や樽や桶といった人々の生活にかかわるもの、太いものは建築材などに使われていました。その時代の杉の林は毎年手入れに手間をかけ、資源を大切にしながら植物資源として徹底的に利用されました。杉の需要は大変高く、まさに生活に不可欠な存在だったのです。
【現在】
近年林業の衰えが進み、杉の林の間伐や伐採など手入れがされなくなり、杉林が密集して弱い杉だけになってきています。その為、杉が強くなろうとして、子孫を増やそうとして、と花粉症を引き起こす花粉を大量に飛散し人々に悪影響を及ぼしています。
そのため価格も下がり、今では生産対象にならないという声も出てきました。
今、杉が本来あるべき姿に戻るための動きが始まっています。昔そうであったように、人にやさしく、地球にやさしい存在へと戻すべきなのです。

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