日本古来種「杉」を知ろう
杉とは
杉 学名:Cryptomeria japonica
日本古来種の針葉樹。杉は北は青森県から、南は沖縄県まで分布し、品種は数百種に分かれています。
「杉」の名前は「直木」すなわち、まっすぐな木というところから名づけられたと言われています。
杉は古くから木材資源として重宝され、ヒノキとともに日本国土の12%を占める地域に植林されています。杉は割りやすく安易に板材にすることができます。日本では杉の素材を生かす為に木目に合わせて割っています。建築用材の中でも杉の占める割合は多く、1950年には40%を占め、日本の伝統的な木造住宅のイメージを作り上げてきました。
杉と日本人
日本の文化と杉
秋田・富山・三重・京都・奈良・高知の6府県が杉を県木に指定しており、いかに杉が日本文化・日本の歴史の中に重要な役割を果たしているかを知ることができます。 また、神社の境内には必ずといってよいほど杉の大木があり、参道には杉並木が植えられています。大木は風雪から社を守り、人々の精神を支える支柱としての役割を果たしてきたのです。
人間のからだにやさしい
木には「落ち着く」「和む」「暖かみを感じる」など癒しの効果があり、人にとって相性のよい自然素材です。調湿効果や断熱効果に優れ、夏涼しく冬暖かい快適な居住空間を創り出します。
また光や音を調整し、人のからだに与える影響・衝撃を和らげます。
心地よい木の香り、心地よい触感も木のある生活をおすすめする理由のひとつです。
花粉症
現在、花粉症に悩まされる現代人が増えています。その人口は10~15%と言われ、花粉症に費やされる医療費は年間3000億円と言われています。まさに「国民病」。花粉症の原因として第一に挙げられるのは「杉の花粉の飛散」。
しかし実際には、(1)花粉飛散量の増加、(2)生活環境の変化、(3)からだの変化 の3つが原因とする説があります。
- (1)増加の要因としては第二次世界大戦後、荒廃した国土の復興として植えられ杉が花粉をさかんに生産する樹齢に達しているとされています。
- (2)進む都市化により路面がコンクリートやアスファルトで覆われ、走り回る車によって、落ちた花粉が舞いあがり、人々に影響を及ぼしているのです。
- (3)栄養状態の改善や食生活を”たんぱく質を多く取る現在の食事”から“バランスの良い食事”への改善をした場合の花粉症の発症の低さから、からだによる変化が花粉症に関係しているのではないかと言われています。
つまり、ただ単に杉の花粉が多すぎるから、というだけではなく、それ以外にも人為的な環境の変化や生活環境等がともに作用して花粉症が増えていると考えるべきではないでしょうか?
杉の今と昔、そしてこれからの杉
過去の杉の1つの例として、東京23区の1つ「杉並区」についてお話します。この地名は江戸時代初期にこのあたりに杉並木があったことに由来しています。今では東京の市街地となり農村の面影などどこにもありませんが、江戸初期から明治直前までの約250年間、杉の産地として栄えていました。
苗を密植して植林後12年頃から間伐を始め、毎年少しずつ切りながら40年までに全て切っていました。用途は竿や樽や桶といった人々の生活にかかわるもの、太いものは建築材などに使われていました。その時代の杉の林は毎年手入れに手間をかけ、資源を大切にしながら植物資源として徹底的に利用されました。杉の需要は大変高く、まさに生活に不可欠な存在だったのです。
近年林業の衰えが進み、杉の林の間伐や伐採など手入れがされなくなり、杉林が密集して弱い杉だけになってきています。その為、杉が強くなろうとして、子孫を増やそうとして、と花粉症を引き起こす花粉を大量に飛散し人々に悪影響を及ぼしています。
そのため価格も下がり、今では生産対象にならないという声も出てきました。
今、杉が本来あるべき姿に戻るための動きが始まっています。昔そうであったように、人にやさしく、地球にやさしい存在へと戻すべきなのです。
- 適度な伐採
- 良い杉が育ち、朽ちる杉が減る
- 活発な森林活動によりCO2削減、木としての価値も上昇。花粉飛散の抑制
- 人体への影響軽減。CO2削減
- 人は杉をいろんな場面で活用し、杉は活発的な成長・活動ができます。
そのために!竹広林業株式会社では、林業の発展を目指していきます。