ふれあいのある家
家族と地域の同世代が気兼ねなく集まる空間
扉を開けるとお母さんお気に入りのカントリー風のキッチンが正面に見える。
広さ20畳のLDKはフローリング・腰壁・カップボードに至るまでパイン材がふんだんに使われている。
キッチンに立つお母さんと今日の出来事を自然に会話できる空間がそこにある。
もともと、旧家である我が家は近所の同世代の人たちがよく集まってくるのである。
特にお祭りの時期になると子供のころから慣れ親しんだ仲間たちが大勢やってくる。
大きな座卓がいくつも置かれ、所狭しとみんな座っていく。
厚み20ミリのパインフローリングは自然塗装仕上げにしてあるので座布団なしでも気にならない心地よい柔らかさだ。 たくさんの御馳走にみんなの手が伸びる。
一緒に付いてきた子供たちも右往左往に大はしゃぎ!気がつくと遊び疲れてそのまま床の上に寝てしまっている。
「この家こんなに人がいても空気がきれいな感じがするね!」
「過剰な塗装をしていないから床や壁が部屋の空気を調節しているのかもね!」
人にやさしい材料は人間の五感にうったえ馴染んでいくのだろう。
年に一度のお祭りの夜はいつまでも笑い声がたえないまま暮れていく。
お寺の敷地内ということもあり内装は家族の希望を十分取り入れて、外観は周りの色調に合わせ、あえて存在感を出さずに自然に溶け込むようにした。
子供たちにも人が気兼ねなく集まれる、ふれあいのある暮らしを伝えていきたいものである。
もしかしたら、日本が誇れるものはそれなのかもしれない。